
さて、ロンドン研修中、同僚のビューティセラピスト5人1チームになって、ゲスト向けにスキンケアセミナー20分を開催する課題がありました。
各ビューティーセラピスト持ち時間一人4分で、トークとデモンストレーション(ホワイトボードでの図式や補足説明、マシーンやプロダクト利点など)方式でプレゼンテーションをします。
わたしのプレゼン部分は、「環境ストレスがもたらす肌への影響とスキンケアの関係性、そして、なぜスキンケアが大事なのか?」を4分間でゲストに分かりやすく説明することでした。
与えられた準備期限は2日。
一人ひとりプレゼン部分が違うので、自分のことは自分で解決しなくてはならず、日々、夜遅くまでカフェテリアで同僚と葛藤し、部屋では座ったまま寝落ちしてました。
とにかく英語との闘いで、いつか頭が沸騰して解けるのではないかと、まじめに考えるほど精神状態ギリギリでした。
しかし、本当に貴重な体験ができて幸せな時間でした。
ここで、とても驚いたことを覚えています。(みんながすでに知っていることと思っていたからでした)
ゲストのほぼ全員(講師除く)が、「化粧水はなぜ必要なのか?」を的確に説明できなかったのです。
例えばですね、ニューヨーク州政府エステティシャンライセンス実技試験(筆記は別日、別会場、筆記試験にも必ず出題される質問)では
もし試験中、試験官から口頭で質問(化粧水はなぜつける?)で、答える(クリニカルに)ことができなければ、試験を落とされる可能性がとても高いのです(減点もしくは試験官によっては一発でFall)。
要は、それほど、化粧水においてはスキンケアの基本で、重きを置いているからなのです。
化粧水の目的は、肌のナチュラルペーハー(pH)へ戻すこと、保湿することの2つの大きな役割があります。
私たちの肌(髪も同様)の最適な状態は、ペーハー(pH)5.5です。
※ちなみに、水洗顔やシャワーなど(肌pH7前後へ傾く)、ソープ洗顔(肌pH11へ傾く)、レモン原液を使ったフェイシャルマスク(肌pH2へ傾く)
すると、pH数値が多いほど乾燥肌へ傾き、pH数値が少ないほど、脂性肌、アクネ肌、汗や汚れによる酸化肌へ傾きます。(また酸性雨を浴びると酸化肌へ傾きます)
ちなみに(極端ですが)、化粧水をつけなくても、健康な状態(生活習慣も含め)であれば、何もしなくても、人間がプロデュースする皮脂や汗で、正常な値へ(肌pH)へ自然と戻ります。
しかし個人のポテンシャル(乾燥 / 脱水肌や、敏感肌、年齢肌)によってはかなり時間がかかります。
私たちのように、例えば、フェイシャルメニュー(50分)を行う際、施術の手順との間に、必ず、化粧水(肌のpHをニュートラルに戻し肌ストレスを軽減させる目的)塗布を行います。こうやって、常に細心の注意を払い施術を行っているのです。
また、最近では、コロナ予防マスクによる肌トラブルは、汗や汚れによる酸化肌、肌とマスクが擦れることによって生じる乾燥肌 / 脱水肌 / 敏感肌との環境ストレスから生じたものが多いかと思われます。
このような場合は、清潔な状態(水洗顔か洗顔+化粧水でpHを正常値にし)、十分な保湿(脂分で膜をつくる)で、肌酸化も肌とマスクの擦れによるトラブル肌も軽減させるこはは可能です。
このように、日常生活を送るということは、常に化学変化(肌pHの変化)を起こしているのですよね。
たかが、化粧水、されど化粧水、そのひと手間があなどれないですよね。
お役に立てればうれしいです。
では、素敵な一日をお過ごし下さいね。